力学変数や外部パラメータを複素数に拡張する「複素化の手法」は、従来調べることのできなかった領域や、隠れている理論の構造を明らかにする可能性をもつ興味深い手法です。例えば、積分経路の複素拡張を利用したQCDの非摂動的性質の探索、複素化された計量を用いた重力理論、非エルミート系の量子力学などが「複素化の手法」の応用の一例として挙げられます。本研究会は「複素化の手法」に焦点を合わせ、物性物理から原子核・素粒子・量子重力までの幅広い研究分野における「複素化の手法」の現状を俯瞰し、これからの発展を展望します。広範な研究分野が関係することから、5日間を開催期間として4人の講師による招待講演を用意しました。また、一般講演も幅広く受け付ける予定です。すでに「複素化の手法」を利用している方、利用を計画している方、まだ計画は無いが興味のある方など多くの研究者の方々の参加をお待ちしています。
招待講演
西村 淳 (KEK)「量子宇宙論と超弦理論の数値シミュレーション」
疋田 泰章(京都大)「Complex saddles in three-dimensional gravity via holography and mini-superspace approach
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三角 樹弘(近畿大)「場の量子論におけるリサージェンス構造と複素化 (ノート)」
田島 裕之(東京大)「冷却フェルミ原子気体の非エルミート量子多体理論」
世話人(順不同)
青木 一(佐賀大)、柏 浩司(福工大)、河野 宏明(佐賀大)、橘 基(佐賀大)、森田 健(静岡大)
本研究会は
科学研究費補助金基盤研究(C) 「ブラックホールの情報喪失問題解決に向けたホーキング輻射の多角的解析」
科学研究費補助金学術変革領域研究(A)「学習物理学の創成」
素粒子論サブグループ「研究会の茶菓子代等サポート」
のサポートを受けています。